40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

7世紀の永納山城を歩き、『夕凪の街 桜の国』を読み、くらしとごはんリクルで肉厚愛媛鯛のランチ@愛媛県西条市

7世紀に築かれた永納山城を歩く

愛媛に行く機会があったので、かねてから訪れたかった永納山城を歩いてきた。

7世紀、対馬から九州北部、瀬戸内海沿岸には朝鮮半島の技術を用いた山城(古代山城)が30基近く築かれた。築城目的は新羅・唐の侵攻への備えとされている。永納山城はそのうちのひとつである。

 

山の中腹に世田薬師という寺院があり、その近くから登山道が伸びている。新緑の木々がつくり出す影をくぐりながら山道を歩くのは気持ちいい。首筋ににじむ汗も、柔らかな風で落ちる前に乾いてしまう。この季節ならでは。

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永納山城は、山の一部を巡る城壁が確認されたことで古代山城とされた。つまり、城としての人工的な構造物を認識できるのは城壁のみということになる。

ブルーシートのかかっている箇所がその城壁にあたる。調査中なのだろうか。

城壁は尾根と尾根の間に石を積み、土を盛り上げる構造のようだ。城壁に囲まれた内側は一段下がって広場のようになっている。

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山頂が近づくと幟が見えてくる。「城(戦国期?)」のイメージだろうか。初めて登山する人間にとっては目標として分かりやすい。

山頂からは西方に瀬戸内海を見渡すことができる。奥に見えるのは香川県

冒頭の登り口から山頂までは20分ほど。軽いハイキング程度だ。

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古い遺跡の整備にこそデザイン的な視点の導入を 

永納山は風化した花崗岩のため、足元の一部は滑りやすくなっており現状では登山者を選ぶ。しかし、登山者に配慮して舗装などしてしまうのは筋違いだろう。現状が7世紀の景観と異なるとはいえ、近代的な構造物が目立ってしまえば訪れた人は興醒めしてしまうし、写真映えもしない。登山ではなく、過去の城の見学を目的とするため訪れる人は過度な整備を望まないはずだ。

サインも含めて、登山者の安全を考慮しながらどう整備するかは難しい課題だが、こうしたケースにこそデザイン的な視点が導入されるべきだろう。

 

 

くらしとごはんリクルで『夕凪の街 桜の国』を読み切る

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永納山を降りた後、空腹に我慢ができなくなって車を走らせた先は、くらしとごはんリクル。

南に設けられた大きな窓からは西日本で一番高い石鎚山(1982m)が正面に見える。

ランチは肉、魚、豆腐から選択可能。迷わず魚をオーダーする。

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料理を待つ間に本棚に向かうと、まず『この世界の片隅に』3巻に目が留まり、直後に『夕凪の街 桜の国』に気づいた。『この世界の片隅に』の作者、こうの史代氏による戦後の広島を描いた作品である。

数ページめくるとすぐに没入してしまい、ランチが到着した時には半分に到達していた。残りは食後に読み切り、さらにもう一度読んでしまった。

夕凪の街」は終戦まもない時期の広島を舞台とし、「桜の国」は現代(現在より少し前か)を描く物語で両者は深く関連する。原爆投下の場面は登場しないが、原爆の影響が現代にまで続くことを意識させる巧みな構成となっている。全体を読み終えるまでさほど時間はかからないが、おそらく誰でも一度は読み返してしまうだろう。

映画版この世界の片隅に』にのめり込んだ人は(私がそうだが)、『夕凪の街 桜の国』もぜひ手に取って欲しい。

 

肉厚の愛媛鯛、ダシの効いた味噌汁で満たされる

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夕凪の街 桜の国』を読んでいるうちに到着した料理。

まず肉厚の愛媛鯛に見た目で驚く。その厚さは箸を入れた指を通して、さらに運んだ口を通して実感される。白味噌ソースで味付けされたこの愛媛鯛だけでも、この日リクルに来た甲斐があった。

左手前の食前酒(といっても苺のコンポートに炭酸を足したもの)や、鮮やかな野菜のきんぴら(?)、自家製ドレッシングなどももちろんいい。麦味噌(愛媛ではオーソドックス)の味噌汁はダシが効いていて、こちらもかなり好み。

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 くらしとごはんリクル FBページ

 

この日の数時間で、ゴールデンウィークらしいことをすべて叶えられた気がする。

「学芸員の人たちも観光マインドを持って」発言はどこから来ているのか?

昨晩から私のTwitterのタイムラインは学芸員批判をした地方創生相の発言で荒れている。

mainichi.jp

地方創生相の学芸員や専門家への理解が足りない、といった意見は他の方に任せるとして、なぜ「学芸員の人たちも観光マインドを持って」(リンク先の動画参照)という発言が出るのか、政府や省庁のサイトを巡ってまとめてみた。

結論から言えば、この発言部分は大枠として政府の方針に沿っていることになる。(地方創生相が、学芸員の人たちに「観光マインド」がないとしていることを前提に)

 

新・三本の矢

安倍政権の経済財政政策の「新・三本の矢」のうち、「新・第一の矢」は「希望を生み出す強い経済政策」となっている。

安倍内閣の経済財政政策 - 内閣府

 

日本再興戦略会議2016

「新・第一の矢」には従来の「三本の矢」が含まれる。従来の「第三の矢」は「民間投資を喚起する成長戦略」で、この具体的な内容は「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)で示されている。

www.kantei.go.jp

「これまでの成果と今後の取り組み」というポンチ絵資料の25ページ目に文化財の項目が出てくる。以下に一部引用する。

「明日の日本を支える観光ビジョン」等に基づき、観光立国の実現に向けた取組を総合的・戦略的に推進

観光資源の魅力を極め、「地方創生」の礎に

 

• 迎賓館等魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放

文化財の観光資源としての活用推進(文化財を中核とする観光拠点を2020年までに全国 200拠点程度整備)

 

つまり、文化財を活用した観光資源を地方創生の基礎とする、ということである。 

 

明日の日本を支える観光ビジョン

上記資料で触れられている「明日の日本を支える観光ビジョン」は観光庁が策定したもの。

www.mlit.go.jp

 

http://www.mlit.go.jp/common/001126602.pdf

以下、「3つの視点と10の改革」というポンチ絵資料の1ページからの引用。

文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ

−「とっておいた文化財」を「とっておきの文化財」に−

・2020年までに、文化財を核とする観光拠点を 全国で200整備、わかりやすい多言語解説など 1000事業を展開し、集中的に支援強化

 

このビジョン構想会議には、『新・観光立国論』『イギリス人アナリスト 国宝を守る』の著書であるデービッド・アトキンソン氏も委員として名を連ねている。ビジョンで示された内容はアトキンソン氏の主張に近い。 

 

京都宣言

www.bunka.go.jp

http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/hoshin/2020_kunizukuri/pdf/kyoto_sengen.pdf

こちらは観光から少しずれるかもしれないが、「京都宣言」からも引用しておく。文化財に対する基本的な考え方は、日本再興戦略2016などと近いだろう。

これからの文化行政については、我が国の文化の一層の向上に向け、文化財の 保護・活用や文化活動への支援、人材育成等の充実を図るだけでなく、文化を資 源として捉え、文化への投資が国際協力、新たな社会への発展、経済成長等にも つながるよう転換させる。

  

今年も科研費不採択で落胆……

郵便受けの中に横たわる薄い封筒は見たくなかった。

封筒の中身はA4の紙1枚。科研費(奨励研究)の不採択通知である。採択されていれば申請完形の書類の束が入っているため、封筒の厚さで採否が分ってしまう。

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昨年の12月、滞在中の東京のホテルで夜中に書き上げて持参した申請書。昨年も近いテーマでの不採択だったため、申請の内容は相当にブラッシュアップした。自信があっただけに今日の落ち込みは激しく、夕食後しばらく何も考えることができなかった。

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研究の助成を受けることができないのはもちろん残念だが、それ以上に現在取り組んでいる研究テーマが認められないことが悔しい。

科研費の不採択や論文のリジェクトが続くと、さすがに仕事の傍らで研究を続けることに挫けそうになる。情けない。

 

温泉宿で論文を書くと捗るのか?@ホテル松葉川温泉(高知県四万十町)

温泉宿に滞在して論文の原稿を書くと捗るのか?

1泊した結果は次のとおり。

・思うほどは書けない (2,000字/3時間)

・意外と作業できる時間はない (5時間)

・思考に集中することはできる

 

四万十川の源流に近い松葉川温泉

以下、しばらく旅行記。

午前中は高知城歴史博物館を見学し、昼食と買い物を済ませて高知市を離れる。

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 高知市から車で1時間ほど高速道路を走って西に向かい、道の駅あぐり窪川で休憩を取る。

目的は豚串。この地域でブランド化された「米豚」を甘辛く味付けして焼いたものだ。網の上で焼く香りに引き寄せられる人は多いはず。1本350円。

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豚串でささやかな欲求を満たした後、四万十川沿いの道を上流に向かって進み、川が二股に別れる地点で日野地川という川に切り替えてさらに遡る。あぐり窪川から30分ほどで到着したのは、川沿いにぽつんと建つホテル松葉川温泉だ。この日の宿泊地である。ホテルのサイトの紹介文にあるように周りに店舗などは一切ない。あるのは渓流と森と空。

15:00にチェックインをして8畳の和室に入って荷物を置く。着替えや洗面道具のほかに持ち込んだのはノートパソコンと数冊の本と大量の文献コピー。1か所しかないコンセントに合わせて机と椅子を移動させ、パソコンを設置する。

部屋の窓からは渓流に架かる赤い橋が見える。 

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旅館といえば茶菓子。普段はゲストハウスかビジネスホテルにしか泊まらないため新鮮だ。こちらの茶菓子は生姜せんべいだった。

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せっかくの温泉宿なので、まずは温泉に浸かる。露天風呂は渓流に面しており、川面からの高さもあって開放感は抜群。

(温泉の撮影はできないのでこちらのサイトを参考に 温泉 | ホテル松葉川温泉

松葉川温泉の湯は透明で少しとろっとしている。そして湯に浸かった後しばらくは肌が滑らかになる。どれくらい滑らかになるかといえば、いつもの調子で軽く手にしたiPhoneが滑り落ちるくらい。

この泉質と開放感が好きで、松葉川温泉には日帰り入浴で何度も訪れている(宿泊は初めて)。

 

湯を出てから周辺を散策。部屋から見えていた赤い吊橋を渡って対岸の森へ。森の中には散策できる道が整えられていて、河原に降りることもできる。

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部屋に戻って夕食までの1時間は、急遽舞い込んだ校正作業に費やす。 夕食は一番安いプランだが、普段の食事を考えると十分贅沢。 やはり豚肉がおいしい。

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デザートは苺のアイス。

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夕食後、期限が迫った確定申告の仕上げに1時間かけて、ようやく論文の原稿に取りかかる。1時間程度。

原稿を22:00で切り上げ、再度入浴してから23:00に就寝。

 

翌朝は6:00に起床して7:00まで原稿執筆。

三度、温泉に入ってから朝食を取る。骨まで柔らかくなったアメゴ(アマゴ)は頭から尾まで食べられる。

朝食後、チェックアウトまでの1時間でキーボードを叩く。

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集中して自分の思考に入り込めた

という訳で、1泊しての作業時間は5時間、そのうち原稿執筆に充てられたのは3時間だった。どうしても温泉に数回入ったり、食事に時間をかけたりするので思ったより時間を取れなかった。入浴回数を減らせば、もう1時間くらいは捻出できそうだ。

 

小刻みの3時間で書けたのは2,000字。すでに書いていた文章の切り貼りもあるので、一から書いた文章は1,500字程度だろう。私の執筆スピードは早いうちには入らないが、それでももう少し書きたかったのが本音だ。

 

文章量が稼げなかった代わりに得られた最大の成果は、考えを納得のいくかたちでまとめることができた点だ。普段より集中して自分の思考のなかに入り込めた状態だったことは間違いない。

家にいると家事を気にせざるを得ないし、カフェや図書館だと机の専有時間に配慮する必要もある。こうした心配事を意識の外に追いやることができたのだと思う。湯に体を沈めていても頭は研究モードになっていたし。

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罪悪感を感じなかった2日間

多少は成果もあったので、温泉宿での論文執筆には再度挑戦したい。立地や泉質が気に入っているので、また松葉川温泉になるかもしれないが。

なお、いい温泉とおいしい食事で過ごした2日間、少しでも研究を進められたせいか罪悪感を感じなかったことも強調しておきたい。 

 

土佐弁による音声ガイドを楽しむ。@高知県立高知城歴史博物館

2017年3月4日にオープンした高知県立高知城歴史博物館。オープンからほぼ1週間後に訪れることができた。近県では久しぶりの新規博物館なので、しばらく前からこの日を楽しみにしていた。

 

高知城を一望できる博物館

その名のとおり、博物館は高知城のすぐそばにある。オープンとともに「志国土佐 幕末維新博」というイベントも始まって、博物館はそれなりににぎわっていた。f:id:knada:20170313132935j:plain

1階はチケット売り場とミュージアムショップ、2階は高知城に面したカフェとなっている。2階までは無料で利用できる。ミュージアムショップは博物館オリジナルの商品は少なめ(これから増えるのかもしれない)で、おみやげになるような特産品がスペースの半分くらいを占めている。

3階ロビーの片側壁面は大きなガラス張りで、高知城を一望できる。この日は快晴でいい眺め。

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土佐弁による音声ガイド

3階の展示室入口では、解説用タブレットの無料貸出サービスがある。借りようと思ってスタッフの方に声をかけると、「スマートフォンでも利用できます」とのこと。館内の無料wi-fiにつなぐとわかりやすい操作で解説画面に移ることができる。このUIは素晴らしい。 

画面をいろいろ触っていると、言語選択で最下段に「土佐弁」があるのを見つけてしまった。

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私は、コピーや標語などへの方言の使用があまり好きではない。方言の範囲は明瞭に線引きできるものではなく(グラデーションがかかったような範囲になるはず)、a県を代表するとされる方言Aは、a県全域で使用されているとは限らない。しかし、a県の言葉として方言Aが使用されるコピーや標語は多く存在する。a県に住んでいながら方言Aを使用しない地域の人がこのコピーを見た場合、疎外感や無理解を感じることはないのだろうか。

と、面倒なことを書いておきながら、高知城歴史博物館の土佐弁による解説は「あり」だと思う。「ご利用ガイド」に自虐的な言葉も見えるが、ユーモアと多少のお国自慢(地方博物館なのでそうした方向性にはなるだろう)を前面に押し出して楽しませてくれる。ガイドの内容は相当に練り込まれている。言語選択に「日本語」もあり、土佐弁の解説が県外の人を対象とした内容になっている点が、先述の個人的な懸念を超えているため「あり」だと感じるのかもしれない。

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導入部分の年表と絵図 

展示は近世を中心とした内容。土佐山内家宝物館を前身とするためだろう。

ただ、導入部分には旧石器時代以来の高知の年表が掲げられ、古代の瓦なども展示されている。記録に残る数回の南海地震が年表中に見えるのは、今の時期の博物館オープンであることを強く意識させる。

導入には高知が描かれた中世〜近世の絵図も大きなパネルで掲示されている。高知という場がどう認識されてきたのかを順を追って比較できる良展示だと思う。

 

変わり兜の展示と試着

企画展「未来へひきつぐ美とかたち」で目を引くのは、いくつも並んだ変わり兜。

ロビーに出ると、試着コーナーに展示されていた変わり兜が(もちろんレプリカ)。近年、博物館や美術館での試着はよくみられるが、ここの兜試着は、大人でも子どもでも簡単に被ることができて種類も揃っていることが特徴だろう。数人で異なる兜を着用してスマホで写真を撮る(そしてSNSにアップする)シチュエーションを産みやすい。人気コーナーになるだろう。

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地域単位のリーフレット

高知城歴史博物館は地域単位(近世の村単位くらいか)でリーフレット「地域記録集」を発行している。資料に基づいたしっかりした内容(しっかりしていてまだすべて読めていない)で、博物館の展示がこうした研究や活動に支えられていることがよくわかる。今後の発行も楽しみだ。

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昼食は土佐茶カフェで

博物館に面した通りは有名な日曜市で、正午前でもこの人出(朝の時間が早いほど品揃えがいい)。博物館はいい場所に立地している。

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日曜市の混雑を抜けてランチのために土佐茶カフェへ。博物館からは徒歩5分程度。

この日は高知で豚肉三昧と決めていたので、四万十豚のソースカツ丼を注文。相変わらず、味噌汁は具だくさん、小鉢もあって、茶(冷・温)がおいしい。これで550円。

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さらに茶とスイーツが付いてくるセットがお得だが、この後の間食の予定もあったので食事だけにとどめる。セットの内容は過去のエントリに。

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昼食を終えた後、高知市を離れて次の目的地へ向かう。青空の下だと長時間の運転も苦にならない。

晴れた日の新美術館でスラヴ叙事詩を鑑賞 「ミュシャ展」@国立新美術館

前日、下北沢での仕事を終えてそのまま東京に宿泊。朝の打ち合わせを終えて、午後からのプレゼンまで少し時間があったので、国立新美術館に行くことにした。

目的はスタートして間もない「ミュシャ展」。プラハにあるスラヴ叙事詩が日本に来るとのことで、昨年から話題になっていた展覧会である。この機会を逃すとスラヴ叙事詩は見られないかもしれない、と思って千代田線のホームに向かう。

 

乃木坂の駅から直結の階段を上ってチケット売り場に並ぶが、平日の11:00ということもあってか数分待っただけでチケットを購入できた。

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この日は朝から快晴で、外を歩いていても自然と足取りは軽くなる。 ガラス張りの新美術館には春の光が降り注ぎ、美術館の中をほどよい暖かさと明るさで満たしていた。

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ミュシャ展」は2階の展示室。展示室にも並ばずに入れる。

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展示室に入ってすぐにスラヴ叙事詩が高い壁にずらりと並んでいるのが目に入る。

実際に目の前にすると想像以上の大きさで、作品と少し距離を置かなければ全体を鑑賞することができない。展示室内にはそれなりに人がいたものの、こうした事情により、スラヴ叙事詩20点の鑑賞はさほど混雑が気にならなかった。スラヴ叙事詩より後のコーナーの小さな作品を鑑賞するほうがよほど大変。

これだけ大きな作品なので、じっくり観察しようと思えばオペラグラスや単眼鏡は必須。この日、単眼鏡を持っていなかったことを少し悔やんだ。

 

なお、スラヴ叙事詩5点については撮影可能となっている。もちろん大多数の人はここで撮影。私は美術館や博物館での撮影については賛成の立場だが(条件が許せば)、土日や展覧会終盤の混雑期に「ミュシャ展」の撮影可コーナーがどういう影響を与えるのか興味はある。確実に多くの人が来館する展覧会での一部撮影可、というのは試みとして今後のいい材料になるだろう。

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展示室を出たところに設けられているショップのレジは長い行列で、図録を買う予定だったが時間もないので諦めた(Amazonで注文した)。

 

カフェの限定メニューにも惹かれたが、こちらも昼食時で待ちが生じていたので断念。

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展覧会の鑑賞を終えても、新美術館にはまだ楽しみがある。建物の周りの散策である。この日のような天気だとなおさら。この美術館には青空と太陽が似合う。

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午後からのプレゼンにはいい状態で臨むことができ、結果もついてきた。新美術館で過ごした2時間のおかげだ。

下北沢の具だくさんスープカレーとずっしりベーグルで満たされた一日@ポニピリカ・LOOP BAGLE WORKS

仕事で1年ぶりに訪れた下北沢。実はカレー激戦区らしい。激戦区に来たからにはランチはカレーと決めて、駅周辺をウロウロしながら一番気になったのはおじさんの横顔のイラスト。

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入口のメニューを眺めているうちに口と胃はすっかりスープカレーモードになり、このポニピリカに入ることに。

週替りスープカレー、サラダ、ドリンクで1,000円のランチセットがあったので、こちらを注文する。ライスは量を選べるうえ、おかわりも自由。カレーの辛さももちろん選べる。

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店内はエスニック風だが、それで統一されているわけではなく、クイズマシーンや御札などもあって少しカオスな感じが下北沢らしい。

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少し待って運ばれてきたスープカレーは見るからに具だくさん。人参、大根、オクラ、ほうれん草、チキン、キクラゲ、豆苗などが入っていて食べ応えもある。なかでも皮付きのじゃがいもは、じゃがバターで食べてみたいほど濃厚な芋の味だった。

和風の味(ダシ)とスパイスのバランスが絶妙なスープカレーは深みがあって癖になりそう。このカレーの味にはなかなか出合えないと思う。

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雑穀米にトッピングされるゆで卵がうれしい。

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通常メニューは少し高めだが、エゾシカハンバーグのカレーなどもあって再訪欲が高まる。近所にあったら定期的に食べたいスープカレーだ。

 

スープカレーの後はベーグルを買うために南口のLOOP BAGLE WORKSへ向かう。 

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ベーグル専門店(テイクアウト)のLOOP BAGLE WORKSでは、基本のベーグル(プレーン、チーズ、ブルーベリー、バジルなど数種類ある)が200円で販売されている。ベーグルはかなり大きく、持つとずっしりしているのがわかる。200円でこのサイズは安い。

今回は夕食にそのまま食べたが、生地がいい意味で主張しすぎない味なので、ツナやトマトなどをサンドして食べてみたい。

ちなみにLOOP BAGLE WORKSにはサンドもある。このベーグルのサンドだと1個でも1食分になりそう。

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この日は下北沢のスープカレーとベーグルで胃も心もすっかり満たされた。食べ物がおいしい街は、いい。 

 

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