40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

研究

博士論文を提出した。完成までの終盤の1年間で効果的だったこと。

2023年も終わりに近づく頃、博士論文を提出した。完成までに6年近くを費やした。 途中、特に後半は何十回もあきらめかけた。断念しかかった要因は大きく分けて二つある。一つは自分の研究能力の限界を思い知らされたこと。これだけ時間をかけてもこの程度の…

2022年に達成すること+2021年の振り返り

年に1〜2回の更新になっているが、今年も目標と振り返りを。 2021年の年頭目標は達成できたのか knada.hatenablog.com 1. 博士論文完成の目処をつける △ 大幅に遅れているが、一応、最終形は見えつつある状態。現在、博士論文の進捗状況は60%。 2. 1月に論…

論文がリジェクトされたダメージは失恋と同じくらいか

届いた封筒を開けたら提出した原稿がそのまま入っていて、その上にはA4の書類が1枚。 「投稿された論文は受理できません」 以前投稿した論文は受理されなかったらしい。査読すらされなかったのもつらいが、その理由が分からないことがなおつらい。修正の方向…

2021年に達成すること+2020年の振り返り

364日ぶりのブログ。後で見返すためにも、昨年の確認と年頭の目標は記録しておきたい。 2020年の年頭目標はどうなったか knada.hatenablog.com 1. 5月に論文投稿 △ 投稿した。ただし、できたのは9月。新型コロナウイルスの影響で予定していた4月に資料調査に…

社会人大学院生が、どうやってモチベーションを維持し、研究時間を捻出しているのか。

昨日、twitterのタイムラインで流れてきたこの記事。 社会人大学院生のたでぬーさんが、毎日の仕事に追われるなかで、いかにして研究時間をひねり出しているのか。 note.mu 私は大学院の博士課程に通い始めてすでに1年半が経過した。博士論文を書き上げるた…

広く研究への門戸が開かれているのが、奨励研究ではなかったのか。

平成31年度科研費(奨励研究)の変更点 科研費の公募が始まっている。 私は研究機関に所属していない(研究者ではない)ので、これまで応募できたのは、奨励研究のみである。しかし、今回の公募の変更点をみると、もしかすると私は対象ではないような気もし…

研究発表はうまくいかなかったが、それでも発表を引き受けたことにはメリットがあった。

先週の日曜日、とある研究会で研究発表をした。 4年前に書いた論文を基に分析対象を広げてさらに大きな論を展開する目論見だったが、分析に見合う資料やデータが得られず、結果的に論文の再検討に近い発表になった。 準備段階で改めて自分の書いたものを読む…

科研費(奨励研究)にはもう手が届く気がしない

今年(2017年)も採択されなかった科研費(奨励研究)の審査結果が届いた。そろそろ届く頃だろうとは思っていたが、審査結果を見ても結果が変わる訳でもないのでさほど気にも留めていなかった。 knada.hatenablog.com 郵便受から縦長のハガキを取り出し、三…

なんとか拾われた論文が新聞記者の目に留まった話

昨年末(2016年12月)、投稿論文があっさりリジェクトされた。その時の落ち込みようは半端なかった。年末年始を挟んで冷静になり、論文をリライトして別の雑誌に投稿したのが2月。 knada.hatenablog.com knada.hatenablog.com その論文を掲載した雑誌が4月中…

今年も科研費不採択で落胆……

郵便受けの中に横たわる薄い封筒は見たくなかった。 封筒の中身はA4の紙1枚。科研費(奨励研究)の不採択通知である。採択されていれば申請完形の書類の束が入っているため、封筒の厚さで採否が分ってしまう。 昨年の12月、滞在中の東京のホテルで夜中に書き…

温泉宿で論文を書くと捗るのか?@ホテル松葉川温泉(高知県四万十町)

温泉宿に滞在して論文の原稿を書くと捗るのか? 1泊した結果は次のとおり。 ・思うほどは書けない (2,000字/3時間) ・意外と作業できる時間はない (5時間) ・思考に集中することはできる 四万十川の源流に近い松葉川温泉 以下、しばらく旅行記。 午前中…

リジェクトされた論文を別の雑誌に投稿してレモンパイを崩す夜

今、レモンパイをフォークで崩しながらこの記事を書いています。論文を無事提出して、夕食の買い出しついでに買って来たレモンパイです。 提出したのは年末にリジェクトされた論文を大幅修正したもの。リジェクトのメールを開いてからしばらくは呆然としてい…

「この先10年を研究者として生きるには、今が正念場」と言われて

「なだ君がこの先10年を研究者として生きるには、今が正念場」 先日、人づてに聞いた言葉です。 言葉を発したのはNさん。Nさんは大学などの研究機関に属していませんが、論文の質も数も十分(ただし正当には評価されていないような)という方です。 (以前、…

投稿論文がリジェクトされてシュトーレンをつつく夜

今日、論文がリジェクト(不採用)されたとの連絡を受けました。自信のある論文だっただけに、連絡を受けてからしばらく車の中で呆然としていました。 この論文の内容は、近年関心のあるテーマですが、大学以来の専門分野とは異なります。私の中では、テーマ…

科研費(奨励研究)の申請は持参するべき。可能なら。

科研費は研究機関に所属する「研究者」を対象とする助成ですが、それ以外の人でも応募できる「奨励研究」という種目があります。 教育・研究機関の教職員等であって、他の科学研究費助成事業の応募資格を持たない者が一人で行う教育的・社会的意義を有する研…

発表は予想以上に好評だったが……

昨日、とある研究会で発表を終えて、軽い脱力感のまま今日一日を過ごしました。 その発表とは、自分が長年向き合ってきたテーマ(テーマC)。ただし、行き詰まりを感じているため、このテーマからはもう離れるつもりです。が、今回の発表のレジュメをまとめ…

かつての研究成果も見直すと新たな視点が得られる

今年の2月、1本のメールで依頼を受けました。9月開催の研究会で発表して欲しい、と。ただ、研究会のテーマを聞いて依頼を受けるのを躊躇しました。私にとって、研究が行き詰まって、ほぼ放棄したに等しい研究テーマだったからです。 せっかくの機会なのであ…

研究成果を人前で発表することも重要

一段落してコーヒーを前にぼうっとしています。 とある大学を会場とした研究会で発表を終えたことで心身が抜けたような状態になっていて、駅近くのカフェで椅子の背もたれに寄りかかってかれこれ30分は経っている状況です。 さて、私の現在の研究テーマは、…

科研費不採択の順位を知らされてさらに落胆

帰宅してポストの中をのぞくと、日本学術振興会から郵便が届いていました。科研費(科学研究費補助金)落ちた人向けの順位の通知です。 昨年、科研費の奨励研究というカテゴリー(基本的には誰でも応募できる)に応募したのですが、採択されませんでした。研…

同じ研究内容の論文を見つけてしまい……

今、目の前が真っ暗です。真っ暗なままキーボードを叩いています。 今朝、高速バスに乗って徳島に来ました。徳島大学の図書館でとある文献を探すためです。 先日書き上げた論文は、内容を見ていただいた知人の大学教員からいくつものダメ出しを受けました。 …

科研費不採択の通知で落胆……

今日は仕事を早めに切り上げて帰宅しました。待っていた郵便物を受け取るためです。 足取りも軽く帰宅して郵便受けをのぞいた瞬間、気持ちは一転、相当に落胆しました。その原因は、郵便受けの中に横たわる厚みの無い1通の青い封筒です。 国から研究費の助成…

仕事でもないのに時間を割いてもらえたことへの感謝

ちょうど1週間前、論文を書き上げて桜餅を食べていました。その論文を知人の大学教員に見てもらい、早々に返事をいただいたのです。 knada.hatenablog.com メールで届いたのは、送った原稿に赤ペンでびっしりとコメントの付いたPDFでした。 読んでいくと厳し…

書き上げた達成感に浸りながら食べる桜餅の味

1本の論文を、とりあえず完成させました。 現在の私の研究テーマを分けると次のようになっています。 A 現在、関心のあるテーマ。どちらかと言えば大学以来の専門分野。 ◎本命 B 現在、関心あるテーマだが、これまでとは異なる専門分野。 ◯対抗 C 大学以来の…

「好き」の差を埋めるためには

昨晩、Wordに棒打ちで400ページ弱の原稿が送られてきました。 差出人は私より一世代上のNさん。Nさんは在野の研究者ですが、多くの論文を執筆し、世に出してきました。送られてきた原稿は、これまでのNさんの何本かの論文をまとめて加筆、修正したもの。 「…

大学院に進む必要はあるのか?『これからのエリック・ホッファーのために』(荒木優太著)

書店に立ち寄るために早めに仕事を切り上げて、ようやく購入できた『これからのエリック・ホッファーのために』(荒木優太著)。夕食後、読み始めて一気に巻末に達しました。 前回のエントリで購入前の本書への期待を書いたのですが、著者のTwitterでツッコ…

在野研究者への後押し『これからのエリック・ホッファーのために』(荒木優太著)

知人にとある本をすすめてもらいました。『これからのエリック・ホッファーのために―在野研究者の生と心得』(荒木優太著)です。 在野にいながらも実績を残した研究者16人を紹介する本で、著者のサイトに目次が掲載されています。 16人のうち半数近くの人の…

新たな道を進むための第一歩

ようやく研究成果が公表されました。リポートの中の1論文としてですが刊行されたのです。 私の現在の研究テーマはA、B、Cの3つあります。(この点は昨日のエントリで触れています。) knada.hatenablog.com 今回公表された成果はテーマAについてです。現在、…

成果を公表しなければ研究テーマは理解されない。

人づてに学会での研究発表の依頼を受けましたが、その内容を聞いて依頼を受けるか少し考えてしまいました。 現在の私の研究テーマを分けると次のようになっています。 A 現在、関心のあるテーマ。どちらかと言えば大学以来の専門分野。 B 現在、関心あるテー…

大きなスケールで思考できるか?

数ヶ月前、荒削りだけれども強く惹かれる論文に出会いました。専門は異なりますが、それでも最後まで読ませ、考えさせられる内容です。 先日、その著者と議論する機会に恵まれました。某大学を訪ねた折、そこに来ていたポスドクの若い人がその著者だったので…

どちらの研究テーマが自分に合っているのか?

迷っています。 研究テーマを見つけたのはいいものの、それは二つあるのです。 いずれも人文系の研究で、大学などの組織に所属する必要もなく、特別な研究装置なども必要ありません。資料にさえアクセスできれば(大学や研究機関に所属しているほうが圧倒的…