40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

科研費不採択の通知で落胆……

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今日は仕事を早めに切り上げて帰宅しました。待っていた郵便物を受け取るためです。

足取りも軽く帰宅して郵便受けをのぞいた瞬間、気持ちは一転、相当に落胆しました。その原因は、郵便受けの中に横たわる厚みの無い1通の青い封筒です。

 

国から研究費の助成を得られる、「科研費(科学研究費助成事業)」という制度があります。基本的には大学教員や研究機関職員が対象なのですが、大学や研究機関に属さない私のような人間も助成を得られる枠があります。それが「奨励研究」という枠で、助成の金額は多くありませんが(100万円以下)、それでも藁にもすがりたい私にとっては魅力的な制度なのです。

この奨励研究の科研費に申請したのが昨年の12月。新たな研究テーマを見つけて高揚していた私は、その想いのまま一晩かけて申請書を書き、翌日推敲して提出しました。

10年ほど前、科研費(奨励研究)には一度採択されて、30万円の助成を得たことがあります。そのおかげで各地で資料を集めることができ、その後3本程度の論文を書く礎になりました。

ところが、毎年のように申請しているものの、それ以来採択されていません。ただ、今回については、研究テーマが斬新だと思っていたので(自分では)さすがに採択されるだろうと期待していたのです。

 

採択の場合、届く封筒には厚みがあります。これからの手続き等に関する書類が同封されてるためです。不採択はA4の紙1枚なので封筒はペラペラです。という訳で、郵便受けをのぞいただけで不採択が分かったのです。

 

不採択通知には採択率18%とありました。採択は5人に1人以下の割合です。奨励研究の採択率は年々減少しています。申請者(申請金額)が多くなっているのか、助成金が少なくなっているのかは分かりません。

ただ、仕事で自治体に関わっていると、国(財務省)の考えがしばしば聞こえてきます。例えば、少額の事業は手間が多いだけで大きな成果が得られないため、廃止や縮小の方向になっている、などです。この考えからすれば、科研費も大学や研究機関への莫大な助成が中心で、在野研究者(とあえて書きます)への少額助成が切り捨てられつつあってもおかしくはありません。残念ながら。

 

10万円でも助成が得られれば、「ゴールデンウィークの合間に国会図書館に篭って」とか「九州の某図書館で調査をして」などと考えていましたが、まさに「取らぬ狸の皮算用」です。

今年度の研究は縮小せざるを得ませんが、費用が無いなら無いなりの研究を進めるしかありません。こういう時こそ『これからのエリック・ホッファーのために』(荒木優太著)を読んで自分を奮い立たせます。

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