40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

なぜ職場に食料や着替えを置いておかなければならないのか。

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一昨年、東日本大震災の現場で救助活動に関わった自衛隊の方を講師に招いて話を聞く機会がありました。

講師の方が強く訴えていたことの一つが、職場のロッカーに食べ物や衣料品などの生活必需品を置いておくことでした。

 

批判を浴びた自衛隊

東日本大震災時、災害発生から時間が経って店頭に商品が戻ってきているにも関わらず、自衛隊員がコンビニで食べ物や着替えのシャツを買っていると一般の方から強い批判を浴びたそうです。そんな余裕があるのか、と。また、屋外で缶詰を食べていると多くの厳しい意見にさらされたため、建物内や車中のなるべく見えないところで食事を採るようになったとも。

的外れだと分かっていても、非常時には私も同じように批判してしまうかもしれません。

 

災害時に自衛隊と同じ立場になる人たち

その場で一緒に話を聞いていた中には、公務員や自治会役員といった方々もいました。講師であった自衛隊の方は、特にそういった人たちを念頭に置いて上記の点を強調したのです。

なぜなら、彼ら彼女らは、災害時には確実に救助活動や避難所運営を担う側に回るからです。東日本大震災時の自衛隊と同じ立場になるのです。店頭に品物が並んでいたとしても、批判を回避して業務をスムーズに遂行するためには買い物には行けなくなります。

 

会社員でも批判されないために

会社に勤めている人でも同じ立場に置かれる可能性は十分にあります。避難所として事務所やビルを開放した場合、その施設の勝手が分かった人間が自ずと場の運営側に立つことになるでしょう。ネットの情報にあたる限りですが、今回の熊本地震でも同じようなケースはまま見られるようです。

となると、周りの目を気にして公務員ではなくとも買い出しに行くのは難しくなるかもしれません。

なので私は会社の小さなロッカーに、缶詰(普段のおかずにおいしく食べている「美味しい鯖」)6個と靴下2組、古くなった眼鏡を置いています。これらの出番がないに越したことはないのですが......。

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