40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

科研費(奨励研究)の申請は持参するべき。可能なら。

科研費は研究機関に所属する「研究者」を対象とする助成ですが、それ以外の人でも応募できる「奨励研究」という種目があります。

教育・研究機関の教職員等であって、他の科学研究費助成事業の応募資格を持たない者が一人で行う教育的・社会的意義を有する研究

奨励研究 | 科学研究費助成事業|日本学術振興会

 

私のような在野の(自称)研究者でも助成を得ることが可能な制度です。限度額が100万円と、一般的な科研費に比べるとごくごくわずかですが、仕事の合間に行う研究に100万円以上の金額を研究に使うことはかなり困難です。時間的に。

私はほぼ毎年のペースで応募していますが、採択されたのは10年ほど前に一度だけ。1年前の申請(研究計画書)はかなり自信があったのですが、あえなく不採択。

knada.hatenablog.com

 

例年の締め切りが12月上旬なので、今年こそは、と意気込んで11月下旬から研究計画書の作成に取りかかりました。その際、参考にしたのは次のスライド。日本学術振興会特別研究員の申請用ですが、科研費の申請にも役立ちます。

www.slideshare.net

 

本来は締め切り前に研究計画書を仕上げて郵送する予定だったのですが、最後の詰めがなかなかできず焦っていたところ、締め切り最終日は東京で仕事だったことを思い出しました。科研費を扱っている日本学術振興会は麹町にあり、申請は持参も可能なのです。

というわけで、締め切り前日の夜、秋葉原での仕事を終えてからホテルで計画書を書き、データをネットプリントに転送しました。雨の中、傘も持たずにホテルを出てコートを濡らしながらたどり着いたコンビニで計画書をプリントアウトし、その場で購入した封筒に入れてなんとか準備できました。

 

快晴の翌朝、四ツ谷で降りて青空の下をうつむき加減に歩を進める上智大の学生に紛れて日本学術振興会の入っているビルに向かいます。最上階近くの受付会場入口には、昨年のノーベル賞を紹介するパネルが誇らしげに掲げられていました。

受付会場に入り計画書を手渡すと、椅子にかけて少しお待ちください、とのこと。なんとその場で書類に不備がないかチェックしてくれたのです。郵送ではもちろんチェックはしてくれません。

幸い、不備はありませんでしたが、持参できるなら持参したほうがいいのは間違いありません。書類不備による不採択を避けられるのですから。

 

しかし、私のように地方在住だと毎年持参するわけにはいきません。麹町まで来たこの日、無事申請できたのですが、東京と、東京から離れた地方との研究格差(わずかですが)を感じてモヤモヤしたのは事実です……。