40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

「東京」に触れて欲しい、と小学生の子どもに思う。

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小学生の子どもは演劇の教室に通っています。この教室は、年に数回、子どもを中心とした演劇を公演するのですが、今年は東京(新宿のどこからしい)で公演するというのです。

西日本から東京に行くと、子どもと保護者としての親の交通費、宿泊費を安く見積もっても数万円の経費がかかることになります。一度の公演のために。

離婚したこともあって経済的に豊かではないため、他に習い事をさせることもできず、演劇の教室も月謝はさほど高くありません。そんな状況なので、子どもに習い事をさせることが、どれだけ家庭の経済状況に左右されるのかということを突き付けられたような気がします。

子どもは公演を目標に毎週の練習に通っているし、一人でも欠けると公演にも影響があるのでもちろん参加させますが。

 

私としては、公演もさることながら小学生の子どもに、「東京」に触れて欲しいのです。

 

小さな地方都市で生まれ育った私が子どものころ、テレビを見ていていつも疑問に思っていたのが、なぜ東京の話題ばかりなのか、ということでした。ひとたび東京に台風が近づけば血相を変えたような台風報道ばかりだし、話題の飲食店も自分の家からは到底通えないような東京の店ばかりです。

 

そんな私が東京を初めて訪れたのが16歳の時。第一印象は「街の汚さ」でした。表通りから少し裏に回ると、排気ガスで黒く煤けたコンクリートや山積みになったゴミ袋などを至る所で目にしました。25年前のことなので、今はそこまでではありませんが。

その後、竹下通りや秋葉原(当時はもっぱら電気街でした)で店や人の多さに驚き、乗り遅れても数分後にやってくる山手線に驚き、何時まででも灯りに照らされて星の見えない夜空に驚きました。

 

私の想像を遥かに超える人が、東京で生活し、経済活動を行っているのを目の当たりにしたのです。「街の汚さ」と感じたの光景は、生活や経済活動の現れであって。

東京を舞台にしたドラマが毎日毎日流れ、地方の高校生には皮膚感覚として全く分からない「新宿」「青山」といった言葉が常識のようにテレビで流れていることの背景が、少し理解できたような気がしました。

そして、日本という国は東京を中心に動いていること、東京が隔絶した存在であることも。

それが良いとか悪いとかではなく、16歳でようやく現実を垣間見たということです。

 

小学生の子どもは、東京に触れて何を感じ取ってくれるでしょうか?