一線で活躍する40代ゲームクリエイター(ゲームディベロッパー)の座談会。ある時期、ガラパゴス化して海外から取り残されそうになった国産ゲームだが、海外向けにシフトしてもそんなものは求められていない、という話。
とかく国際化を叫びがちな身近な学問分野にも通じるところがある。
藤澤氏:
結局――「アメリカ人の真似」じゃダメってことだと思います。
ゲーム業界全体としても、PS3の頃に「海外ウケ」を意識して大コケした記憶があって、今はまだそのリハビリ中みたいな時期だと思っています。
(中略)橋野氏:
日本人が「これが美味しいぞ」と生み出したラーメン文化が、今や世界中でウケるような事実があるわけじゃないですか――それで、いいんだと思います。
先に断っておくが、私の専門に重なる人文系のある分野に限って、である。
この10年ほど、海外の大学(と言っても、アメリカとヨーロッパの一部のみ)で学んだ一部の研究者は「国際化」を訴えて欧米の理論や方法論を持ち込むケースがまま見られる。まま、というか、その声は年々大きくなっている。
それはそれで学ぶところもあるとは思うが、これまで国内で築き上げてきた論を安易に飛び越してしまっているように感じるのは私だけだろうか。私も欧米の理論や方法論についていこうとしていた時期もあるが、日本独自に醸成されてきたものを、さらに突き詰めることで世界レベルでのオリジナリティにつながると最近は考えている。徹底したローカリティこそが最強の武器なのでは、と。
ちなみに、リンク先の記事は、日々迷い悩む40代は全員読むべきという内容。不惑なんて孔子は本気で言ったのだろうか……。