仕事で梅雨入りした東京に向かった先日のこと。午後からの打ち合わせを終えて、仕事仲間のAさんから夕食に「中華粥とかどう?」と誘われて二つ返事で了承した。中華粥なんてなかなか食べる機会がないため、そのワードを聞いただけでテンションが上がってしまったのである。
新橋の駅から7〜8分ほど南(汐留方面)に歩いたところに目的の花茶坊はあった。道を挟んで反対側にあるスープカレーの店やおでんの店にも惹かれるが、初志貫徹。
幟が立っていたり、入口付近にメニューがペタペタ貼られていたりと、大衆的な雰囲気にあふれている。
店内はテーブル3つとカウンターだが、先客の3組はいずれも20〜30代とおぼしきカップル。店の外観からはおそよ想像のつかない客層だ。
Aさんにすすめられるまま、点心セット(800円)をオーダー。ほどなく運ばれてきたトレーには、中華粥、せいろにに入った点心、チンゲンサイ、ザーサイが載っている。
中華粥はごま油が垂らしてあるのと、多少の塩以外の味付けはされていない。テーブル上にある塩、醤油、豆板醤、酢、練がらしなどで味を調整して楽しむスタイルらしい。個人的には酢と豆板醤の組み合わせが好みだ。そして、時間の経過とともにしんなりして粥になじんでくるレタスがいいアクセントになっている。
焼売3種はいずれも具がぎっしり入っていて食べ応えがある。それぞれ、海鮮(黃)、野菜(緑)、肉(白)。えび餃子?ワンタン?(写真右端)はエビのみを包んだシンプルなものだが、逆にエビの味が際立つ。
点心の味付けも想像するよりもあっさり目。必要であれば、醤油や酢で、ということだろう。私はそのままでちょうどいいくらいだった。
写真では分かりにくいが中華粥の丼は深さがあり、ある程度は水分が占めるとはいえ結構なボリュームなうえ、点心も具だくさんである。中華粥だと高を括っていたが翌朝まで空腹を感じることはなかった。この味と量で800円はお得。
周りのカップルは点心や中華粥を単品でいくつか注文し、アルコールとともにシェアしながら食べていた。夜はこうした使い方をされる店なのだろう。
他のメニューも期待できるので、これは再訪したい。