40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

有名とは言えない大学に通いながら建築の道に進もうとしている大学生の話

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ゲストハウスでは思わぬ人と思わぬ会話を交わすことができます。

昨日、東京のゲストハウスを3宿紹介しました。そのうちの一つに宿泊した際、同宿だった男子大学生A君との会話は今でもよく覚えています。

 

A君は某建築事務所でのインターンのためにゲストハウスに連泊していました。A君は西日本にある、決して有名とは言えない大学の学生です。建築関係の学科に所属しているとはいえ、学生が本気で建築に取り組む様子はないとのこと。先生が指導する気もほとんどないようです。

そんな中でもA君は建築に対して自分なりに勉強をし、知識や技術を高めていました。昨今の大学生同様にインターンを試みるも、多くの建築事務所ではA君の所属する大学の学生は受け入れられてもらえないらしく(先生のコネなどもない)、インターン先には苦労していました。

が、A君はインターン生の所属する大学も国籍も不問、という事務所の募集を見つけました。その建築事務所というのが、建築にさほど詳しくない私でも知っている建築家ユニットの事務所なのです。設計した建物も訪れたことがあります。

私が出会った時のA君はその事務所でインターンをしている最中で、日々任される様々な仕事の内容を楽しそうに語ってくれました。その話を聞く私も楽しい気持ちになったのを覚えています。そしてA君は、大学の名前や環境が不利なことは十分理解しているけれども建築の道に進みたい、と強い意思を表明したのです。

 

あれから1年以上経ちますが、A君はどうしているでしょう。もしかすると厳しい現実の前で座り込んでいるかもしれませんし、迂回路を探しているかもしれません。しかし、インターンの日々を話してくれた時の目を見ている私は、彼が建築の道を、少しずつであったとしても進んでいるとしか考えられません。

A君を応援しているとともに、彼にインターンの場を提供した建築事務所にも賞賛の拍手を送りたいと思います。