40代社会人大学院生、博士を目指す。

岡山を拠点とする年齢的にも経済的にも余裕のない社会人が、少しでも研究実績を積み上げようとあがいています。

多彩な色材は一見の価値あり。「色の博物誌」@目黒区美術館

TwitterのTLにたびたび流れてくる感想に押されて「色の博物誌」を観てきました。 山手線の電車を目黒駅で降りて、坂道を下っていくと見えてくる目黒川。この川を渡るのは何年ぶりだろう、などと少し昔を思い出しながら川沿いをしばらく歩いて目黒区美術館に…

紅葉の殿ヶ谷戸庭園、クルミドコーヒーを巡る国分寺休日充実コース

昨日、紅葉を見るために殿ヶ谷戸庭園(とのがやとていえん 東京都国分寺市)を訪れました。 国分寺駅から徒歩3分という立地です。駅から至近距離なのはなぜ、と思いましたが、この点は、甲武鉄道(現JR中央本線)国分寺駅開業(明治22年)後に別荘地の庭園と…

実は茶どころ高知の芳醇な茶を食事やスイーツと一緒に - 土佐茶カフェ(高知市)

実は茶どころの高知。仁淀川の上流や四万十川上流では斜面地に茶畑を見ることができます。その高知の茶「土佐茶」をカフェで味わうことのできる場所が高知市街地の中心部にあります。それが土佐茶カフェ。 席に着くとお冷とともに冷たい煎茶が運ばれてきます…

2017年手帳は、EDiTからブラウニーへ乗り換え

来年、2017年の手帳はブラウニーにしました。原因は9月に読んだこのブログ。ほぼ方眼というところに惹かれました。 www.hetano-yokozuki.net 私が手帳に書き込んでいるのは、スケジュール、TODO、プロジェクト管理、簡易な日記です。このあたりを求めて2年前…

60代とおぼしきイベント参加者から理不尽な言いがかりをつけられた話

今日は本の感想を書くつもりでしたが、気分を害する出来事があったのでここで吐き出します。すみません。 一緒に仕事をすることの多い会社からイベント時の応援要請がありました。年配の方向けに寺社などを巡るウォークラリーのようなイベントで、開催が今日…

発表時の読み原稿は作成するべき

昨晩、市民講座で講師を務めてきました。90分間。見合った対価を得られるのでもなく、元々は乗り気ではなかったのですが、やむを得ない事情で引き受けた講座でした。 knada.hatenablog.com とは言え、お客さんは前向きな気持ちで幾ばくかの参加料を払ってい…

秋晴れの粟島で作品を巡る散策旅【瀬戸内国際芸術祭2016】

10月からスタートした瀬戸内国際芸術祭2016秋会期。秋会期には、本島、高見島、粟島、伊吹島の4島も会場になります。 秋晴れで気持ちのいい朝、粟島に渡るため須田港(香川県三豊市)に車を走らせます。港には8:30に到着し、往復切符(660円)を購入して9:05…

文系の博士後期課程に必要な学費は? 国立・早慶・関関同立を比較してみる

40代で大学院博士後期課程への進学を考えています。進学準備にあたり、今の私にとっての最大の難関は学費の準備です。これまでのエントリでも国立や立命館大学の学費について触れてきました。 knada.hatenablog.com knada.hatenablog.com 学費を大学院の選択…

個人的な研究について会社から咎められた知人の話 ―補足と、ささやかな願望

先日、モヤモヤしたまま打ち込んだツイートに思いのほか反響がありました。 会社員で個人的に研究を続けている知人からの愚痴。彼女は民間助成を得て研究を進めている最中。それが会社に発覚して役員に怒られた。ヨソから金を貰って高尚な趣味をする暇がある…

子ども版ライフハック本。自分が子どもの頃に読みたかった。『時間の使い方』(旺文社)

今週のお題「プレゼントしたい本」というか、最近子どもにプレゼントした本です。その本とは、春から結構話題になっている「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズの『時間の使い方』。 高学年になった子どもは、帰宅時間も遅くなり、平日に家で過ごす…

発表は予想以上に好評だったが……

昨日、とある研究会で発表を終えて、軽い脱力感のまま今日一日を過ごしました。 その発表とは、自分が長年向き合ってきたテーマ(テーマC)。ただし、行き詰まりを感じているため、このテーマからはもう離れるつもりです。が、今回の発表のレジュメをまとめ…

あっさりタルタルソースと野菜たっぷりのランチ - Le Tablier(ル・タブリエ 高知市)

ランチを食べるために目的の店に向かって歩いていました。途中で黒い看板と奥にのぞく階段が気になったものの、素通りして目的地にむかってしばらく進んでいましたが、どうしても気になって引き返してきました。 階段横に掲げてあったメニューに「タルタルソ…

入りやすく過ごしやすい悪魔の純喫茶でモーニング - メフィストフェレス(高知市)

初めて見ると誰もが足を止めてしまう外観。店名はメフィストフェレス。悪魔です。 サイトによれば創業は1964年とのこと。経営している現代企業社は、高知で18店舗の飲食店を手がけていて地元ではよく知られています。 店内はかなり広く、1席もゆったり取られ…

なぜ職場に食料や着替えを置いておかなければならないのか。

一昨年、東日本大震災の現場で救助活動に関わった自衛隊の方を講師に招いて話を聞く機会がありました。 講師の方が強く訴えていたことの一つが、職場のロッカーに食べ物や衣料品などの生活必需品を置いておくことでした。 批判を浴びた自衛隊 東日本大震災時…

研究成果を広く伝えるためにはコミュニティ間の関わりが重要では

先日、京都で開催中の「アートと考古学」展を観覧し、エントリをアップしました。刺激的な内容で楽しめる展覧会です。 この 「アートと考古学」展について、昨日の日経新聞のサイトで取り上げられていました。以下、一部引用します。 www.nikkei.com 「日本…

新たなモノが生まれる前の高揚感

イラストレーターの友人と持ち込んだ企画が通りました。 2か月ほど前、友人に持ちかけられた話に同意し、その夜に企画書を書き上げて某メディアの編集部に送ったのです。 knada.hatenablog.com 最初から興味を示してくれた編集部とは何度か打ち合わせをして…

目の前の仕事に向き合えていなかった

忙しさを言い訳にした自分への戒めとして。 先日、ある本の編集について協力を依頼されました。直感的におもしろそうだとは感じたものの、その時点では本の内容も私に求められる役割も不明瞭だったため、返事を保留していました。 しばらくそのままの状態だ…

京都をよく知る人こそ引き込まれる『京都の凸凹を歩く』(梅林秀行著)

ブラタモリに何度も出演する著者が、地形に残る過去の京都を読み解くのが『京都の凹凸を歩く―高低差に隠された古都の秘密』です。祇園、御土居、巨椋池など7か所が地図や写真を交えて紹介されていますが、地域のチョイスが絶妙で、京都をよく知っている人こ…

物に対する認識はどう変化するのか。「アートと考古学」@京都文化博物館

「物の声を、土の声を聴け」のコピーに惹かれて、京都文化博物館で「アートと考古学」展を観てきました。ポスターのフォントがいいですね。 土の中から出土する土器や石器を対象とする考古学、それをアートという切り口でみせる展覧会です。アートというより…

行き詰まった研究者こそ読むべき『アオイホノオ』(島本和彦著)

『アオイホノオ』を5巻まで買い、帰宅するなり勢いで購入巻すべてを読んでしまいました。高校卒業以後、あまり漫画を読まなくなり、コミックもほとんど買ったことがないにも関わらず。なのに『アオイホノオ』を購入してまで読んだのはこれが原因です。 toget…

メリットを感じられない講師の依頼を受けて……

市民講座(一般向け)の講師の依頼を受けました。 地域のことを深く知ってもらおうとする、行政に近い団体主催のシリーズ講座の1回分です。ただし講演料はごくわずか。昼食+カフェ代程度。 シリーズの中には大学教員の方が講師の回も数回あります。担当者は…

港町で潮風にあたりながら濃厚カフェラテを - BOLLARD COFFEE at Uno Port INN(岡山県玉野市)

おいしいコーヒーを飲みたい、休日らしいこともしたい、という二つの欲望を叶えるために向かったのは宇野港。宇野港は岡山県玉野市の南端、瀬戸内海に面した港町です。ちなみに、玉野市の「野」は宇野の「野」です。 宇野港の目の前にある外国人向けゲストハ…

かつての研究成果も見直すと新たな視点が得られる

今年の2月、1本のメールで依頼を受けました。9月開催の研究会で発表して欲しい、と。ただ、研究会のテーマを聞いて依頼を受けるのを躊躇しました。私にとって、研究が行き詰まって、ほぼ放棄したに等しい研究テーマだったからです。 せっかくの機会なのであ…

市場設計に腐心してきた歴史をわかりやすく。『マーケット進化論』(横山和輝著)

Twitterで存在を知って手に取ったのが『マーケット進化論 ―経済が解き明かす日本の歴史―』です。 本書のおおまかな内容は冒頭に一文で示されています。 「鎌倉・室町時代から昭和初期まで、市場の機能を活かす市場設計を通じて、日本は経済発展を実現した。 …

とんかつ専門店を超えるとんかつのカツカレーうどん - めんや七福別邸(香川県坂出市)

展覧会を目的に瀬戸内海歴史民俗資料館に向かう途中、おいしいとんかつを食べるために、うどん屋に立ち寄りました。うどん屋でとんかつ? めんや七福別邸は、坂出ICを降りて車で3分の場所にあります。ちなみに本店は高松の香川県庁前で、高松中心部のオスス…

60年代欧米雑貨をじっくり眺めたい「’60年代JETRO収集海外優秀商品」@瀬戸内海歴史民俗資料館

先日、高松(香川)で観た「心を豊かにするデザイン」はおもしろい展覧会でした。特に、1960年代に日本のプロダクトデザイン向上のために収集されたコレクションには強く興味を惹かれました。 knada.hatenablog.com そのコレクションの展覧会が別の資料館で…

上品で特徴的な餡のあっさり最中 - 柴田モナカ本舗(愛媛県四国中央市)

一度食べると他の最中(もなか)は食べられない、という話を聞いて車を走らせて向かったのが柴田モナカ本舗。本来の店名は「白賁堂」かもしれませんが、「柴田のモナカ」で通じているようです。 場所は川之江駅(愛媛県四国中央市)近くの商店街。御多分に漏…

立命館大学大学院博士後期課程の学費は国立大学よりも安い。さらに……

『「その日暮らし」の人類学』を読みながらふと思ったのが、最近手に取る本の著者の、立命館大学教員率の高さです。 まずは『「その日暮らし」の人類学』の小川さやか氏。 knada.hatenablog.com こちらのエントリで紹介した本の福間良明氏も。 knada.hatenab…

マリメッコ、アラビアマニアも必見「心を豊かにするデザイン―讃岐民具連とその時代―」@高松市歴史資料館【瀬戸内国際芸術祭2016】

高松(香川県)でおもしろい展覧会を観てきました。「心を豊かにするデザイン―讃岐民具連とその時代―」です。 1950〜60年代の香川で、洗練されたデザインを用いてさまざまなものを世に出していた活動を紹介しています。香川県庁舎を設計した丹下健三や、高松…

それぞれの社会に適した経済のしくみがある『「その日暮らし」の人類学』(小川さやか著)

待っていた本をようやく購入、夕食後に最後まで読んでしまいました。 『「その日暮らし」の人類学』(小川さやか著)は、「Living for Today―その日その日を生きる―」をキーワードとして、経済、社会の状況をしくみを問い直す新書です。 以下はプロローグで…