高松(香川県)でおもしろい展覧会を観てきました。「心を豊かにするデザイン―讃岐民具連とその時代―」です。
1950〜60年代の香川で、洗練されたデザインを用いてさまざまなものを世に出していた活動を紹介しています。香川県庁舎を設計した丹下健三や、高松にアトリエを構えたイサム・ノグチなどもその流れに組み込まれています。
伝統工芸品から家具、パッケージまで数多くの資料が展示されており、広くない展示室ながらも見どころは満載です。
なかでも興味を惹かれたのは、JETRO海外優秀商品見本収集事業のコーナー。
1960年代、JETRO(日本貿易振興会)は欧米諸国からさまざまな家具や雑貨、玩具などを集めて日本全国を巡回させていました。欧米に輸出できるようなデザインの参考にするためです。これらの一部は香川県で保管され、今回の展覧会で約20点が展示されています。以下、展示目録からリストアップします。
シュタイフのぬいぐるみ、ローゼンタールの皿、トーマスの鍋、ダンスクの木製容器と鍋、アラビアの皿、アルフィのポット、ヤコブセンの水さし、リサ・ラーソンによる虎の置物、ル・クルーゼのフライパン、フィネルのホーローカップ、マリメッコのビニール引きクロス、ジオ・ポンティによるカッシーナのスーパーレジェーラチェア、マルティネリ・ルーチェのきのこ型照明です。
いずれもアンティーク感はありながらも古さを感じさせないデザイン。フライヤーにも写真がないためビジュアルで紹介できないのが残念ですが、記憶を頼りに2点はサイトから探してきました。
ル・クルーゼのフライパンに近いのは以下のリンクの画像。ただし水色です。長い持ち手がいい感じです。
アラビアの皿は数枚ありますが、1枚は次のリンク先に登場するものに近いです。
これらのコレクションからは、戦後の日本が欧米の優れたデザインから何かを得ようとしていたことがよく伝わってきます。一方で、マリメッコはやはりマリメッコで、アラビアもアラビアであり、50年以上経ってもブランドとしての軸はぶれていないのに驚きます。
明日から瀬戸内国際芸術祭2016夏会期がスタートしますが、高松に行った際には、高松市歴史資料館まで足を伸ばしてみてはいかがでしょう。高松駅からJRで1駅(昭和町)です。
「心を豊かにするデザイン―讃岐民具連とその時代―」
場所:高松市歴史資料館
期間:2016年7月16日(土) ~9月4日(日)
休館日:月曜日(ただし、7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館)
開館時間:午前9時~午後5時(入室は午後4時30分まで)
観覧料:一般200円
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